第11回 本村 健太郎さん 俳優・弁護士
「なんだ、これは!?」世界遺産の写真にインスパイアされた
―― 東大出身の現役弁護士かつ役者、というユニークな経歴とキャラクターでTV番組でも活躍する本村健太郎さん。'09年6月の第5回世界遺産検定で3級・2級を併願受検し合格されました。検定に挑戦したきっかけは?
検定の2ヶ月前くらいに、通勤の電車の中で世界遺産検定のポスターを見たんです。「ネムルト・ダー」(トルコ)の写真がデザインされていたんですが、巨大な石の頭部が地面からそそりたつ写真に「なんだ、これは!?」と興味を魅かれました。それでさっそく申込んでテキストを購入しました。もともと世界遺産には興味があって、旅のパンフレットなどを見ながら想像するのが好きだったんです。それにクイズ番組が人気を博しているので、資格を取ると旅番組からもお声がかかって(笑)、仕事の幅も広がるんじゃないかという気持ちもありました。
勉強は車内や収録の合間に。合格後に勉強法の本も執筆
―― 2ヶ月の勉強で合格されました。勉強法を教えてください。
僕のやり方はテキストを「読むだけ」。電車の中や収録の合間に、面白そうな項目から適当に読むんです。世界遺産は歴史が興味深いものもあれば、自然が素晴らしいものもある。誰にとっても必ず興味が惹かれるところがあると思います。そういう部分から関連するページまで読んでいくと、芋づる式に知識が増えていきます。世界遺産に関するTV番組もできるだけチェックしました。ビジュアルがあれば記憶も定着しやすいですから。
実はこの頃、ある出版社さんから「勉強法について本を出さないか」というオファーを頂戴していました。検定に合格してからまとめた本(『本村弁護士流読むだけで賢くなる勉強法』ぶんか社)の内容は世界遺産検定の勉強を振り返って、自身の勉強法のエッセンスを著したものです。検定に挑戦したからこそ書けたと言えますね。
頭脳自慢のタレントや弁護士仲間に興味を持ってほしい
―― 試験後の感触は? 今後の挑戦の予定などは?
3級も2級も骨がありましたが、まずまずの点で合格することができました。1級にも挑戦しようとそれなりに準備していたんですが、受検日が「行列のできる法律相談所」の収録と重なって。次回、日程が合えば挑戦するつもりです。クイズ番組の「漢字王」でおなじみ、シンデレラの畠山くんが合格されたということですが、1級はかなりレベルが高そうですね。「京大芸人」の宇治原くんと話す機会があれば、「挑戦するならちゃんと勉強したほうがいい、そんなに簡単ではないよ」と伝えたいですね(笑)。「行列のできる法律相談所」で先日、検定の合格について少し触れたんですが、TV番組でも機会があれば紹介していきたいですね。
検定会場に親子で来られている人を見て、いいなぁと思いました。世界遺産は、世代を超えて話題にできる。ウチは息子がまだ5歳で幼いけど、いつか家族の食卓で世界遺産の素晴らしさや、それを守る意義などについて話ができれば、と思います。
また世界遺産の登録基準の中には、「絶滅の恐れのある野生種の自然生育域」というものがありますが、弁護士仲間に野生動物を「原告」とした環境裁判に取り組んでいる人々がいます。世界遺産を学ぶことで、こうした自然保護の活動の意義を改めて深く感じました。機会があればそうした仲間にも紹介したいですね。
世界遺産検定に興味を持っている方へのメッセージを
世界遺産は実に奥が深い!よく知られているもの以外にも、美しさ、壮大さ、背景にある歴史の深さなど、驚きと感動、発見を与えてくれる遺産がたくさんあります。知的好奇心を刺激されますし、自身の世界も広がるでしょう。僕自身、黄龍(中国)をはじめアジアの自然遺産、ゼメリング鉄道(オーストリア)、インドの山岳鉄道など、学んだからこそさらに興味をかきたてられる遺産がいっぱいあります。また自然、文化遺跡を含め、遺産を守ることの意義も肌感覚で知ることができる。ぜひ、年齢や職業などに関わらず、多くの人に挑戦していただきたいと思います。
本村健太郎さんは、2011年12月「第10回検定」で1級に、2013年12月「第14回検定」でマイスターに認定されました。おめでとうございます!
プロフィール
本村 健太郎(もとむら けんたろう)さん