第10回 お笑い芸人 畠山さん お笑い芸人
個人的興味で検定に挑戦!世界遺産に行けなくても楽しめる方法は?
―― テレビ朝日の人気クイズ番組「Qさま!! 第2回芸能界漢字王決定戦」で「2代目漢字王」に輝いた畠山さん。超難関といわれる漢字検定1級に一発合格されたことが話題になりましたが、世界遺産検定も昨年、2級を取得。この7月にさらに1級に挑戦されます。検定に挑戦されたきっかけや勉強方法、周囲の方の反応などを教えてください。
漢検は仕事がらみの部分もあったんですが、世界遺産検定は、完全に自発的なチャレンジ。もともと、世界遺産に関心があって、「モン・サン・ミシェルとその湾」(フランス)、「マチュ・ピチュ」(ペルー)に行ってみたいと思っていたんです。でも、資金もヒマも、いや、ヒマはけっこうあるけど(笑)、資金はない。行かなくても楽しめる方法はないかなと思っていたとき、本屋で、「世界遺産検定」関連本をみつけて、受けてみようかな、と。で、ハマって、3級の次は、2級、次は、1級という気持ちになりました。
勉強時間は、3級のときは3日、2級のときは10日くらい。テキストを移動の時間などに読んで、関心のあるところ、重要かなというところを覚えました。正直、そのあたりが出題されて、ラッキーという感じですね。
漢検1級を取ったあと先輩芸人の方に「次、どうするんだ」と聞かれ、「世界遺産検定を」とテキストを見せたり、合格の報告などをしたんですが、「お前、どこを、何を、目指してんだよ」(笑)と言われましたね。
身近な日本の遺産にも「未知」がいっぱい。世界となると、驚きだらけ。それが楽しい
―― 検定の勉強に「ハマった」要因は? 勉強されて気づかれたことなども教えてください。
勉強し始めて思ったのが、「世界遺産のこと、99%以上、知らなかったな」ということ。特にそれを感じたのが、知っているつもりになっていた日本の世界遺産。たとえば、僕も行ったことのある「日光東照宮」(栃木県)。陽明門の眠り猫の裏に雀が彫ってあって、猫と雀が共存する平和な時代を象徴する意味を持っているという説があるとか、全然知らなくて。もともと雑学が大好きで、もし知っていたら訪れた時もっと楽しかっただろうなぁと思いました。世界の遺産となると、もう「何、これ!?」だらけですよ。「アルベロベッロのトゥルッリ」(イタリア)の家なんて、屋根が取り外せるようになっている。それって、わけわかんないじゃないですか(笑)。そういう驚きにいっぱい出会えて「未知」の部分に足を踏み入れるのが楽しくて。
それと勉強する前は世界遺産って景観や建物が美しいだけのところ、という印象もあったんですが、奴隷貿易や人種差別、戦争の悲劇など、人類の負の歴史を象徴するところもある。そういったマイナスの部分も伝えていこうとする世界遺産の活動全体にも感銘を受けました。あ、すごくまじめなこと言ってるけど、芸人として大丈夫ですかね?(笑)。
―― とくに興味をもたれた世界遺産、行ってみたい世界遺産はありますか?
断崖絶壁の上に立っている「メテオラの修道院群」(ギリシア)、湖畔の風景と町並みの調和がありえないくらい美しい「ハルシュタット」(オーストリア)のように、自然と人工物が調和している遺産に惹かれますね。もちろん、謎がまだまだ残っている「マチュ・ピチュ」や、「ナスカとフマーナ平原の地上絵」(ペルー)も自分の目で見たい!それと、日本の世界遺産は、時間をみつけてぜひ訪れたいですね。特に、屋久島は絶対行きたいです!
いずれネタにも!?世界遺産は、絶対面白い!学ぶと、日本を、世界を、地球を、愛せます!
―― 世界遺産検定の勉強が芸人としてのお仕事に活かせる部分はありそうですか?1級に合格された後の計画なども教えてください。
世界遺産の勉強って、地理、日本史、世界史、美術、建築、生物、地学などオールジャンルですよね。そういう意味で、クイズ番組の出演などにもプラスになるかなと思います。それとやっぱりネタにも使いたい!「それ、メテオラの修道院かよ!」みたいな(笑)。そういうネタも、1級を取ってからのほうがインパクトや説得力がありますよね。1級の先は、「マイスター」ですが、もっと難しそうです。でも、マイスターになると、学校などで世界遺産検定を広める活動ができるとお聞きして、もしそれができたら、芸人としての活動の幅も広がるんじゃないかなと。そう考えると、芸人としても、一級は絶対・・・・・あ~、そう思うと、けっこうプレッシャーが(笑)。
―― 最後に、世界遺産検定に関心を抱いておられる方に「世界遺産検定のススメ」と、畠山さんと同様1級に挑戦される方にメッセージを。
「この世界遺産に行ってみたい」という方はたくさんいらっしゃると思うんです。でも、実際に行くのはなかなか難しかったりする。そんな方は、世界遺産検定のテキストをパラパラでいいので見ていただきたいですね。訪れた時の楽しさも倍増するということを感じてもらえると思うし、知らない知識にもいっぱい出会える。僕自身、世界遺産の勉強を通じて、「日本や世界って、めちゃくちゃ面白い!」と思いました。だから「世界遺産のことを知れば、日本を、世界を、地球を、もっと愛せます!」と言いたいです。
1級を受検される方には、平均点があがると余計狭き門になるので、あんまり頑張らないでください!(笑)。それと、カブるんで芸人には挑戦してほしくない(笑)。いやいや、マジメな話一緒に頑張って世界遺産について語り合える人が増えてほしいです。いろいろな要因で危機に瀕している危機遺産が世界中にありますよね。世界遺産の価値を理解している人が一人でも多くなることで、それを守る第一歩になるんじゃないかなと思います。
畠山さんは、2010年7月「第7回検定」で1級に、2010年11月「第8回検定」でマイスターに認定されました。おめでとうございます!
プロフィール
畠山(はたけやま)さん