第21回 鎌田 安里紗さん モデル
もっと世界を知ってほしいからこれからも自分の言葉で伝えていきます
―― モデルとして活躍する一方で、途上国の支援を目的としたチャリティフリーマーケットを開催するなど、国際協力活動にも積極的に取り組んでいらっしゃる鎌田安里紗さん。2014年7月の検定で2級に認定されましたが、挑戦のきっかけや合格の秘訣を教えてください。
検定は旅情報をネットでチェックしている時に知って興味を持ちました。旅行が好きで、プライベートでもよく世界遺産を訪れますが、知らないで訪れるより歴史や背景といった知識があるとより楽しめるんじゃないかと思ったんです。
旅好きになったきっかけは、中学3年生の時のバリ島旅行。行くまではリゾートというイメージを持っていたのですが、空港に着くと、物乞いをする子供たちが。その光景とホテルの豪華な光景のギャップにショックを受けたんです。この経験がきっかけで、貧困問題に興味を持つとともに、実際に行ってみてこそ分かることがあるということを実感しました。高校時代から現在まで、モデルやタレント活動、国際協力活動を続けつつ、積極的に旅にも出るようになりました。
「自分の目で見る」ってすごく大事だと思います。検定の勉強をしていても、実際に行ったことのある遺産はスっと頭に入ってきました。もちろん知らない遺産の方が多かったのですが、そんな遺産についてもただテキストを覚えるだけではなく「どんな人が住んでいて、どんな暮らしをしていたんだろう」と想像力を働かせ、楽しく勉強することで自然と知識が入ってきました。1週間という短い勉強時間でしたが合格することができました。
―― 世界遺産検定に挑戦してよかったことを教えてください。また今後、知識をどう活かしていきたいですか。
検定合格後に、カンボジア、ギリシャ、屋久島に旅行しました。世界遺産も訪れましたが、より深く楽しめたと実感しています。たとえばアンコールワットは2度目の訪問でしたが、見え方が全然違うことを実感しました。また遺産の保全について学んだことでカンボジアの貧困解消につながる観光と遺産の保全の関係についても考えるようになりました。
今後はもっと知識を深め、自分の言葉でファンや同世代の高校生、大学生に旅の魅力や世界の奥深さを伝えていきたいと思っています。私は現在、大学で「パターンランゲージ」というきちんとした言葉になっていない暗黙知(あんもくち)をどう伝えるか、というテーマを勉強しています。モデルやタレント活動も含め「伝える」ということが、自分自身の大きなテーマだと考えています。よく「今の若い人は、内向き志向だ」なんて言われますが、私は何か「きっかけ」があればもっと多くの人が世界に目を向けるはずだと思っています。そのきっかけ作りのために、ファンと一緒に途上国でボランティア活動を行うスタディツアーを企画中です。世界遺産も多くの人に関心を持ってもらえる素材ですから、世界を知るためのいいきっかけになるのではないでしょうか。
また世界遺産の知識をタレント活動にも活かせれば嬉しいですね。旅番組などにも挑戦してみたいです。そのためにはやっぱり1級以上を取らないと(笑)。レベルが高いですが、ぜひ近いうちに挑戦したいです。
―― 最後に高校生や大学生に向けてメッセージをお願いします。
知識があると旅行がもっと楽しくなります!それと私のファンは圧倒的に女子が多いんですが(笑)、「教養」という意味で「女子力」も上がるかもしれませんね。マジメなことを言うと、私は昨今よく言われる「グローバルな人間になる」ための基本は、語学力以前に、世界には自分と異なる考え方、暮らし、価値観があることを知り、それを受け入れることだと思うんです。その意味では「世界には色々なモノや風景がある」ちょっと難しく言えば「世界の多様性」を楽しく勉強できる世界遺産検定の学びは、その入り口になるはずです。ぜひ楽しんで勉強して、機会があれば語り合いましょう!
(2014年10月)
プロフィール
鎌田 安里紗(かまだ ありさ)さん