認定級 マイスター・1・2級
米山 剛平 さん
大学生
―― 2015年に2級、2016年には1級とマイスターを取得されています。検定に挑戦した理由を教えてください。
「世界遺産検定」という名前は以前から知っていましたが、具体的な内容を知ったのは大学に入ってからです。子どもの頃から旅行が好きだったことに加え、世界史も好きだったため、大学で団体受検を行っていると知り受検を決めました。団体受検だと、受検料が少し安くなるのも魅力でしたね(笑)。
―― 1級、さらにはマイスターにまで挑戦しようと思ったのはなぜですか。
2級は、約1,000件ある世界遺産のうち日本の全遺産と世界の主要な遺産300件が出題範囲となります。テキストを購入して独学で対策したのですが、「勉強する」という感じではありませんでした。「この世界遺産はこういったところが評価されたんだ」「日本にこんな世界遺産があるんだ」と、新しい知識を得るたびに未知の世界へ足を踏み入れるような楽しさがありました。
1級を受検したのは、2級では出題されない残りの世界遺産が気になったから。2級を勉強しているときから、1級も受検する気でした。1級は出題範囲が全遺産に広がるだけでなく、登録基準や遺産同士の横のつながりを理解するなどより深い知識が求められます。テキストをひたすら暗記した2級とは違い、ワードやエクセルで自分なりに資料を作って情報をまとめました。過去問も役に立ちましたね。答え合わせをして、たとえ解答を間違えていたとしても、その分、新しい知識を得ているという喜びがありました。
中途半端で終わりたくなかったので、1級合格後、すぐにマイスターを受検しました。マイスターの試験は、世界遺産の登録基準について最近の傾向を分析するなど、「覚える」というより、「考える」ことが多かった印象です。暗記という面では、1級の方が難しかったかもしれません。受検料が高いので、1回受けてダメなら諦めようと思っていたので、合格できて良かったです。
―― 世界遺産検定を取得して良かったと思うことはありますか。また、この知識を今後、どのように生かしたいですか。
観光するときの視点が変わりました。登録基準は何に該当するのか、どんな点が評価されて登録されたのかを知ったうえで世界遺産を見ると、感動がより深いものになります。特に印象に残っているのは、1級を取得したあと友人と訪れた、韓国の「宗廟」です。朝鮮王朝歴代の王と王妃の位牌を祀っている場所ですが、世界遺産検定で学んだ韓国の祖先に対する考え方について、その一端に触れることができたような気がしました。朝鮮王朝が続いた時間の分、宗廟も増築され、大きくなっていったその姿からは、実物で見るからこそ、その歴史の深さや偉大さを理解することができました。また、単一木造建築物として世界最大規模であることでも有名で、外廊に整然として並ぶエンタシスの柱は、見るものの心を奪うような視覚的魅力もあります。無形文化遺産に登録され、毎年5月に行われる宗廟大祭を見ることができなかったことは少し残念でした。
検定を持っているからこそ遺産の良さを理解し、感じられるシーンは非常に多くあります。一緒に行った友人に遺産の特長を教えてあげられたのも、世界遺産検定を持っていたからこそです。僕は大阪に住んでいるのですが、ガイドブックを広げている外国人旅行者を街中でよく見かけます。機会さえあれば、外国からの旅行者にも、世界遺産検定で得た知識を生かし日本のおすすめの世界遺産を紹介してみたいですね。
世界遺産は、その世界遺産がある国の文化や歴史を知る足がかり。知れば知るほど自分の世界観が広がり、「もっと深く知りたい」と知的好奇心が刺激されます。これからも、知識欲の向くままに世界遺産を学び続けていきたいと思います。
(2017年11月)