認定級 2級
中神 俊一 さん
―― 中神さんの会社では年に1度、社内受検が開催されているそうですね。2級に挑戦されたきっかけは何ですか? また個人ではなく団体で受けた理由を教えてください。
私は経営企画室に所属しているのですが、あるとき社長と室長がお客様にお会いする際に同席する機会がありました。お客様と名刺交換をするとき、2人の名刺に「世界遺産検定」の認定者であることを示すロゴが入っているのに気がつきました(※)。名刺を受け取った方も、「こんな検定があるんですね」と興味を持たれている。それを目の当たりにして、自分も資格をとりたい、いや、ぜひとらなくては!と思いました。以前から世界史はいつか勉強したいと思っていたので、良いチャンスでもありました。
最初から2級を受けたのは、3級は出題対象が日本の全遺産と世界の主要な遺産100件なのでちょっと勉強すれば受かるだろう、どうせならもっと沢山勉強したいと思ったからです。いざ勉強を始めたら、そんなに甘いものではないとすぐに気がついたのですが…(笑)。
団体受検にしたのは、一人でコツコツ勉強するよりみんなを巻き込んだ方が楽しいと思ったからです。自分の部署だけでなく、以前所属していた部署のメンバーにも声をかけたところ反応が良く、すぐに10人を超える希望者が集まりました。
―― 受検に向けてどのような取り組みをされましたか?
受検勉強はとにかく点をとることに重点を置きました。そのためには「傾向と対策」が大切です。まず出第傾向を知るために、4回分の過去問を徹底的に分析して、どんな問題が出題されているのかチャートを作りました。その結果、アジアやヨーロッパ、アフリカなど各地域の遺産がバランス良く出題されていること、日本の遺産については詳細な内容が問われること、時事問題と関連した問題が出ることなどが分かりました。次に取り組んだのは、社内での検定対策講座の開催です。過去問から導き出したデータを元に、自分が講師になって予想問題を出題、解説していくという形で勉強会を実施しました。他にも、世界遺産アカデミーの研究員がブログやツイッターで発信する情報から、受検に役立ちそうな内容があれば勉強会のメンバーにメールで発信。せっかく周囲に声をかけたのだから大勢で合格したいと思って始めたこれらの取り組みですが、情報をアウトプットすることで、改めて自分の中にインプットもできましたね。
そうこうしているうちに試験日が近づいてきますが、なにしろ「世界遺産検定を受けよう」と皆を誘った言い出しっぺです。自分が受からなきゃ示しがつかない(笑)。プレッシャーを感じながら、仕事の後は近くの図書館にこもって一生懸命勉強しました。結果、合格こそしたものの、「傾向と対策」から洩れた遺産の問題はまったく分かりませんでした。過去問にこだわらず、テキストに掲載されている遺産はきちんと網羅しておくべきだったと反省しています。
―― 印象に残っている世界遺産はありますか? また仕事の中で資格がどのように生きていますか?
ちょうど受検の直前に『ル・コルビュジエの建築作品』が世界遺産になりました。メディアなどでも話題になったので情報量が多かったし、大陸をまたいで指定された最初の遺産という点でも印象的でしたね。趣味のランニングで国立西洋美術館の近くを通ることもあり、身近な場所に素晴らしい建築物があるんだなぁと感慨がわいてきます。
仕事では名刺交換をする際に、検定のロゴが話題になることがあります。特に海外旅行が好きな方は検定についても興味を持つ方が多く、そんな時は「昨日はありがとうございました。…ところで次の検定試験は○月○日です」などとメールでフォローしています(笑)。世界遺産を勉強すれば、国内外の文化や歴史など幅広い知識を得ることができます。そういう意味ではおすすめするのに人を選ばない、老若男女どなたにも安心して「ぜひ受けてください」と言える資格です。これからも色々な場面で世界遺産検定のことを伝えていきたいと思っています。
※中神さんが所属する会社では、世界遺産検定認定者の名刺に世界遺産検定のロゴを入れることができます。
(2018年6月)