高村 優奈さん/大学生

認定級 2級

高村 優奈 さん

大学生

世界遺産のおかげで単調になりがちなコロナ禍の学生生活に変化を起こせた

―― 世界遺産検定を知ったきっかけ、受検の動機を教えてください。

 私が大学に入学したのは新型コロナウイルスの感染が拡大している真っただ中でした。そのため、1年生のときは授業が全てオンライン形式に。せっかく大学に入学したのにキャンパスにも通えず、日々の生活も制限されてしまいました。「このまま何となく1年間が終わってしまうのは嫌だ。何か新しいことに挑戦したい」と思っていた矢先、世界遺産検定の存在を知りました。大学受験は日本史を選択していたので、世界史にはあまり詳しくありません。だからこそ、世界遺産検定に挑戦することで新しい世界が開けるのではと考え、受検を決めました。

―― 実際に受検をしてみて、いかがでしたか?

 勉強をするのがとにかく楽しかったです。テキストを読み進めるごとに新しい発見があり、自分のなかで世界が広がることを実感できました。テキストだけでは具体的なイメージがつかみづらい遺産や、もっと詳しく知りたいと思った遺産はYoutubeなどを活用し、映像で覚えたりもしました。世界遺産の勉強は「試験のために勉強をしている」という気があまりしなくて、疑似旅行でもしている気分でしたね。試験当日も「どんな人たちが受検するんだろう? 年齢層は?」と興味が先立って、遠足に行くようなウキウキした気持ちで出かけて行きました(笑)。実際、試験会場には私と同年代の人たちが多く、仲間が大勢いる感じがして嬉しかったですね。

世界遺産サークル「Nubian」のメンバーと一緒に、1級合格を目指したいと思います

―― 検定に合格後、ご自身に何か変化はありましたか?

 世界遺産の魅力にどっぷりとはまり、「在学中に1級に合格する!」という目標を立てるまでになりました。大学1年生で3級、2年生で2級と順調にステップアップしていますが、1級は出題範囲も広くなかなか一筋縄ではいきません。1人で勉強を続けることにも限界を感じてしまいました。そこで、世界遺産を一緒に勉強する仲間を集い、「Nubian(ヌビアン)」というサークルを立ち上げました。サークル名は私の大好きな遺産のひとつである『ヌビアの遺跡群』からとっています。
 「Nubian」のメンバーは現在8名、そのうち私を含めた3名が2級の認定者です。皆でテキストの読み合わせをしたり過去問を出し合ったりするなど、勉強会を中心に活動しています。
現在はコロナ禍ということもありオンラインでの集まりが多くなっていますが、ゆくゆくはメンバーと世界遺産を巡ったり、「Nubian」から世界遺産の魅力を発信するなどしていければ良いなと思っています。
 今まで私は、自分の所属しているコミュニティの外へ踏み出すことがあまりなかったのですが、世界遺産を学ぶことで「もっと広い世界を知りたい」「色々なことに挑戦してみたい」と思えるようになりました。実際、具体的な活動として「Nubian」の立ち上げのほか、「かわさき若者会議」という地域コミュニティに所属し、地元である川崎市への地域貢献活動に従事するなどしています。また、将来はアナウンサーになって世界のさまざまな魅力や知られていないものを発信し、人々に役立つ情報を届けていきたいという夢を持つこともできました。
 少し大げさかもしれませんが、世界遺産のおかげで単調になりがちなコロナ禍の学生生活に変化を起こせた気がします。その恩返しではないですが、いつかは自分も世界遺産の魅力を誰かに伝えていけるような人間になりたいと考えています。

(2022年3月)