認定級 2級
星野 すず さん
大学生
―― 世界遺産検定を知ったきっかけは?
大学で「世界遺産研究」という授業を受講しているのですが、その授業中に世界遺産検定のチラシをもらったことがきっかけです。すでに就職活動が終わっていて時間に余裕があったことと、大学生のうちに勉強したことを形に残したいという思いから受検を決めました。「世界遺産研究」の授業が面白かったので、検定も楽しく勉強できそうな気がしたのも大きいですね。世界遺産検定について調べるなかで、認定者のインタビューなども読んだのですが、検定の学習を通じて世界遺産そのものの知識だけではなく、さまざまな国の歴史や文化を学べるという点も魅力的に思えました。
―― 試験勉強で工夫した点はありますか?
基礎知識と日本の遺産についてはテキストをスキャンしてタブレットに取り込み、タブレットのマーカー機能を使って赤字や太字など重要だと思える部分を塗りつぶし見えなくしてひたすら読み込みました。世界の遺産は数が多かったため、「国名・遺産名・赤字・太字・遺産の特徴」をまとめた表をExcelで作りました。世界遺産がもともと好きだったこともあり、暗記は苦になりませんでしたね。「今日はアジアの遺産を覚えよう」など目標を立てて楽しみながら勉強していきました。
―― 世界遺産を学ぶ中で一番印象に残ったことは何ですか?
負の遺産についてです。子どもの頃からオーストラリア、イギリス、韓国、台湾など家族で海外旅行をする機会が多く、世界遺産をいくつも見てきました。そのときに見た遺産はどれも華やかな観光地だったので、検定の勉強をするまで世界遺産とは壮大で美しいものが登録されるのだとばかり思っていました。でも、負の遺産の存在を知って、世界遺産というのは人類が犯した過ちを風化させないことや、後世の人々への教訓とする意味もあるのだと知りました。特に印象深いのが、セネガルの『ゴレ島』です。奴隷貿易という悲しい歴史を伝える場所が世界遺産だというのは、検定の勉強をしなければ知り得なかったかもしれません。
また、すべての遺産には世界遺産に登録された独自の理由があることも新鮮な驚きでしたね。検定の勉強を通じて、一見しただけでは価値がわかりづらい遺産でも「どのような歴史的背景があるのだろう」「どんな価値があるのだろう」と興味を持てるようになりました。
趣味の映画鑑賞が楽しくなったことも印象的です。たとえば、パリの「ノートル・ダム大聖堂」はディズニー映画の『ノートルダムの鐘』の舞台ですし、『屋久島』はジブリ映画『もののけ姫』に登場する森のモデルと言われている場所だと思うと勉強も楽しくはかどりました。逆に、映画を見ている時に「この建物、どこかで見たことあるな」と思ったら世界遺産がモデルだったりしたこともあります。
―― 今後、世界遺産の知識をどのように生かしていきたいですか?
大学卒業後は、ある学校の職員として働くのですが、その学校に通う生徒さんの国籍はさまざまです。検定公式ホームページの認定者インタビューでは、多くの方が「世界遺産はコミュニケーションツールになる」「外国の人と話をするときに『あなたの国はこんな遺産がありますね』と話題に出すと喜ばれる」という話をされています。私もそれにならって、世界遺産を生徒さんとのコミュニケーションに役立てたいと考えています。どんな国の人とも盛り上がれるように、いつかは1級にも挑戦したいですね。
そして、なんといっても外せないのが旅行です。世界遺産検定を勉強したことで、「行ってみたい!」と思う場所がたくさん増えました。新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着き、以前のように自由に外国を行き来できるようになった日には、試験勉強で得た知識を思い出しながら、思い切り旅を楽しみたいですね。
(2022年10月)