本島 健汰さん/高校生

認定級 1級

本島 健汰 さん

高校生

大好きなディズニーから始まった世界遺産への興味
今ではその知識が自分の個性になった

―― この度は1級の合格、おめでとうございます。まずは世界遺産検定との出会いを教えてください。

 ありがとうございます。有名な俳優や芸人さんにも認定者が多いので、世界遺産検定のこと自体はかなり前から知っていました。僕はディズニーがすごく好きなのですが、テーマパークのアトラクションにも世界遺産がモチーフになっているものが多いので、「これは検定をやるしかないでしょ」という気持ちになり、高校1年生の夏に3級を取得したのが始まりです。

―― そこから1年半ほどの間に、一気に1級まで駆け上がったのですね。勉強はどんな風に進めたのでしょうか。自分なりにここがよかった、と思う点はありますか。

 周囲の人に世界遺産の話をたくさんしたのはよかったかなと思います。もちろん、いきなり世界遺産の話を振ってもあまり興味を示さない友達が多いのですが、それこそディズニーと関連づけて、「このアトラクションとこの世界遺産がすごく似てて…」みたいな話をすると面白がって聞いてくれるんです。実際にディズニーに行って解説を聞きたいという話になったので、僕は案内と回り方を工夫し、連れて行った友達に最高の一日を過ごしてもらおうと計画しました(笑)。そのほかには、母親と一緒にTBSの『世界遺産』を見ながら、テロップが出てくる前に遺産の知識を披露して驚かれたりとか。そんなアウトプットが、自分自身の知識の定着にも役立ったと思います。

 あとは、スマホアプリを使って、一問一答で1,000問ぐらいあるミニテストを自分で作りました。それを通学時間に解いたり、休みの日であればテキストと一緒に開いて学習に活用したり。1級はカタカナの固有名詞がたくさん出てくるのが大変だったので、人物であればその人のことを自分なりに調べて、絵を描いたりもしていましたね。

テキストへの書き込みにもディズニー好きの痕跡が。「いろいろ工夫はしましたが、損得を抜きにして好きなことに没頭できたというのが大きかったと思います。」

―― アウトプットが自分の勉強にもなるというのは、いろいろな話に通じるものがある気がします。世界遺産を勉強する前と後で、何かガラッと変わったことはありますか。

 勉強してから改めてディズニーに行ってアトラクションに乗りましたが、以前は景色や映像など目に飛び込んでくるものだけを楽しんでいたのが、背景知識をもって「あれだあれだ」と楽しめるようになり、「検定やっててよかった!」と思いました。

 それから、周りの人の自分を見る目も変わった気がします。「本島君は世界遺産の人だよね!」みたいな。僕の友達はみんなそれぞれに自分の強みを持っていますが、僕の場合はそれが世界遺産で、アイデンティティのようになりましたね。

「学校で韓国語の授業を取っているのですが、先生が『韓国で一番高い山は何でしょう』というクイズを出したとき、僕が済州島の漢拏山(ハルラサン)や城山日出峰(ソンサンイルチュルボン)の名前を出したら、『よく知ってるね!』と驚かれ、話が広がりました。」

―― 世界遺産が本島さんのいわば「個性」になったのですね。今後行ってみたい国、世界遺産はありますか。

 K-POPに興味があって韓国が好きなので、韓国の世界遺産に行きたいです。宗廟や昌徳宮には行ったことがありますが、話に出た済州島など自然遺産も見に行ってみたいですね。それから、世界史でドイツ史を学びましたが、世界遺産を勉強する過程で事前にある程度の知識がついていたので授業での理解が深まりましたし、実際に現地に行ってみたくなりました。

―― 将来の夢や、世界遺産の知識を使ってやってみたいことはありますか。

 将来のことはまだ決めておらず、大学生活の過程でもいろいろなものに影響されるとは思うのですが、人に自分の知っていることを説明することに興味があるので、今現在はガイドや教師になりたいと思っています。先ほどディズニーで友達を案内したという話をしましたが、それこそディズニーで働いてみたい気持ちもあります。

―― お話を伺っているとガイドや先生はぴったりな気がしますね!世界遺産をこれから勉強する後輩などに伝えたいメッセージはありますか。

 世界遺産というと、難しそうだったり堅苦しそうだったり…というイメージを持つ人もいると思うのですが、僕のディズニーの話のように、自分の知っている建物が実は世界遺産をモチーフとしていたりするんですよね。そんな風に、身近な何かとつながっていることがとても多いのが世界遺産だと思うので、怖がらずに飛び込んでみたら、世界がどんどん広がるんじゃないかなというのは伝えたいです。

「ユネスコが目指す世界と、僕の好きなディズニーの世界観は、『平和』というキーワードでつながっているように感じています。」

(2024年4月)