認定級 2級
栗本 斉 さん
音楽・旅行ライター
―― 世界遺産に興味を持ったきっかけを教えてください
世界遺産を意識しはじめたのは、2年にわたる南米旅行の際に訪れた、ブラジルのサルヴァドルからでした。音楽の都サルヴァドルはサンバヘギやアシェーなど、アフリカのテイストを残すプリミティブな音楽の中心地として知られています。「なぜこんな音楽が南米にあるんだろう?」と調べているうちに、植民地時代、サルヴァドルがアフリカとの奴隷貿易の中継地として栄えたことを知りました。そして当時の様子を残す旧市街が世界遺産に登録されていました。
世界遺産が南米を知る手がかりになると考えた僕は世界遺産リストを手に入れて、それ以後の旅でできるだけ世界遺産を訪ねることにしました。
―― 世界遺産検定で学んだ知識はどのように役に立っていますか?
僕はFMラジオの番組で、ラジオ上で異国に行こうというコーナーを担当しています。行く場所とテーマを決めて土地の音楽を流し、雰囲気に合う原稿を書き、その場所にいるような体験をしてもらうのですが、人気があるのでよく世界遺産を取り上げています。世界遺産を学んでからいろいろな世界遺産を知りましたし、背景となる文化や歴史を知ったおかげでリアリティが増し、原稿の幅が広がりました。旅行ライターには国や場所の自然や文化の知識が不可欠ですが、世界遺産検定の場合、世界中の自然や文化を網羅的に学べますからとても役立っています。
世界遺産を学んで楽しいのは、自分の知らなかった文化や歴史に触れることができるところです。先日訪ねたラトビア共和国の「リガの歴史地区」がとてもよかったのですが、僕は以前、ヨーロッパにあまり興味なかったので、受検していなければ訪れることもなかったと思います。世界遺産のおかげで世界は広がりましたし、旅行も人生も楽しみが増えました。
検定のような目標を持てば、それまで興味がなかった分野まで必然的に学ぶことになるし、合格の満足感も味わえます。仕事、プライベート両面をさらに充実させるために、今後も受検を進めていきたいと思っています。