認定級 3級
冨田 勝 さん
明治大学 商学部 4年生
―― 世界遺産検定を知ったきっかけや勉強法は?
大学で「異文化コミュニケーション」と「観光と交通」の2つのゼミに入り、後者はゼミ生全員が世界遺産検定3級を受けることになっていたので、その流れで受検しました。
実は10歳までイギリスで育ち、あまり記憶がないのは残念なのですが、ヨーロッパの世界遺産は結構訪れているんです。高校時代にオーストラリアやニュージーランドでホームステイをしたり、大学時代はヨーロッパ、インドネシア、台湾など、チャンスを作っては海外を訪れていました。どうせ行くならその国の文化や歴史、遺産などをできるだけ詳しく知りたい、また日本人として日本の歴史や文化をもっと知る必要があると思っていたので、世界遺産の勉強はまさにピッタリの内容でした。
受検勉強はテキストを使って「ここに行きたい」と思う場所を重点的に読んでいき、分からない所を問題集で確認していきました。勉強というよりは観光のガイドブックを読んでいくような感覚で、楽しく覚えることができました。でも2級は2点足りずに不合格でした。行きたい場所ばかり読んでいて、ヨーロッパをちょっと軽視したのが良くなかったのかもしれません。「あとたった2点」という思いと、やはり知識はあった方が旅は楽しいので、2級はまたチャレンジするつもりです。
―― 商社に就職がお決まりですね。就活の際、世界遺産検定をアピールする機会はありましたか?
商社を中心に不動産業界など25社にエントリーしました。検定資格はどのエントリーシートにも記入しましたが、どの会社でも面接の時に「珍しいね、どういう検定?」「この資格をどう仕事で活かせる?」という話になりました。商社では「現地の人々とコミュニケーションをとる際、その国の文化や歴史など世界遺産を切り口に学んできたことがコミュニケーションツールとして役立ちます」。不動産業界では「地域復興や街づくりの視点から、学んだことを活かしていきたいと思っています」と答えました。商社マンは海外出張の際にぷらっと観光することもありますよね。「どこがお薦め?」という質問もあり「イタリアならアルベロベッロのトゥルッリがいいですね」「ストーンヘンジは神秘的なイメージですが、見た目は割と地味です」など世界遺産の話で盛り上がった場面もありました。面接の際は3級でも十分会話の切り口になることが分かったので、ゼミの後輩には「どんな業界を目指すにしても、とにかくとっとけ」と言ってあります。
海外を旅したり世界遺産の勉強をする中で、日本人の自覚と誇りを感じるようになりました。就職は商社に決めたので、誇れるものの1つ、日本食をぜひ世界中に広めていきたいと思っています。
(2014年3月)