認定級 3級
岩井 拓也 さん
上毛新聞社勤務
―― 群馬の話題と情報を提供する上毛新聞社で営業をされている岩井さん。2012年に検定3級に認定されました。群馬といえば「富岡製糸場と絹産業遺跡群」が世界遺産に登録され盛り上がっています。世界遺産検定挑戦と関わりがありますか?
海外旅行が好きなので世界遺産には関心がありましたが、より興味を持った要因は「地元の富岡製糸場を世界遺産に」という社内の取り組みです。上毛新聞社では以前からこの取り組みを中核的な存在の1つとしてキャンペーンなどを行ってきました。その背景には「富岡製糸場のような産業遺産は、役割を終えたら転用されてしまうことも少なくない。価値を後世に伝えるために世界遺産に」という思いがありました。
仕事を通じていろいろ調べていると「世界遺産は観光地だけではないんだ」ということを知り、もう少し深く学んでみたいという気持ちが湧いたんだと思います。ネットで検索して世界遺産検定への挑戦を決めました。試験勉強は学生時代以来。時間を取り集中するのが大変でしたがとても新鮮でした。世界遺産を取り上げるテレビ番組が好きなので、テキストを読むと同時に映像も見ながら覚えるようにしました。世界の広さを改めて実感すると共に、世界遺産の意味を知り、日本の近代化に大きな役割を果たし世界とつながっていた地元の富岡製糸場に対する想いも強くなりました。
―― 世界遺産検定3級認定は仕事に役立ちましたか?また検定はどんな人に勧めたいですか。
「富岡製糸場と絹産業遺産群」が世界遺産に決定する前から記念号発行の準備をしていたのですが、私は広告営業とともに、3つの企画に携わることができました。そのひとつが「富岡製糸場と関連のある世界の繊維、絹産業遺産」の記事。私が提案した企画が通ったので、世界遺産アデミーに連絡をして研究員の宮澤光さんに世界の絹産業遺産を紹介していただきました。世界遺産検定を取っていたからこそ生まれた記事です。
また営業活動でも地元の企業を訪問すると富岡製糸場の話題が出るので「世界遺産検定3級なんですよ」と言うと話が盛り上がります。私自身2級にも挑戦したいですし、地元の方にもお勧めしたいです。富岡の世界遺産登録は「ゴール」ではなく「スタート」。保存と観光の両立など課題はたくさんあります。こうした課題を共に考えていく上でも「富岡がなぜ世界遺産なのか」ということが根本からわかる世界遺産検定の学びは役立つと思います。
(2014年7月)