認定級 マイスター・1級・2級・3級
山本・リシャール 登眞(とうま) さん
小学生
―― 山本さんは2016年12月、最年少でマイスターを取得しています。世界遺産に興味を持ったきっかけを教えてください。
幼稚園の頃の愛読書が世界遺産の図鑑だったんです。地球の美しさ、人類が作りあげてきた建造物の素晴らしさに感動し、「もっと知りたい!実物が見たい!」と思いました。今は京都に住んでいますが、小学1年生から2年生の1学期までは、両親の仕事の関係でブリュッセルやリヨンで過ごしました。休みの日は、家族で博物館を巡ったり、古い町並みを散策することが多かったので、ますます興味をもつようになりました。
世界遺産検定を知ったのは、書店でパンフレットをみつけたのがきっかけです。「これが僕のやりたいことだ」と思いました。テキストを読みながらさまざまな知識が身に付いていったし、ニュースに出る「危機遺産」や、小説の舞台となった遺跡など、色々な繋がりが見えてきたので、楽しく取り組めました。1級のテキストで、富岡製糸場で絹産業の技術を教えたポール・ブリューナがリヨン出身だと知ったときは、感激しました。実は、僕が住んでいたアパルトマンも、絹織産業と関係があったみたいで、天井がとても高く、窓も縦に細長くて、遅くまで明るかったのが印象的でした。こういう発見も、嬉しいですね。
―― 小学生で1級、マイスターまで挑戦する人はなかなかいません。マイスターまで挑戦しようと思ったのはどうしてですか。
やるからにはもっと上を目指したいという気持ちでした。1級の時は覚えなければいけない物件も多く、期末試験と重なってしまって大変でしたが、どうしても合格したくて、「検定日までの3週間は、世界遺産以外の本は読まない」と決めました。読書が大好きなので、これは辛かったです(笑)。
マイスターに関しては、まず、テキストの主なテーマやキーワードをひろって、自分の言葉でノートにまとめました。1問目の「語句の説明」は、50文字以内で答えられるようにしました。2問目、3問目については、新聞記事をスクラップし、世界遺産委員会の最新情報をチェックして、資料をたくさん集めるようにしました。特に、3問目は、過去の講評に「感情的にならないように」と書いてあったので、事実をしっかりと把握した上で、冷静に書くことを意識しました。やるだけのことはやったので、受検のあとの運命は天に任せ、結果は考えないようにしましたが、認定証とバッジが届いた時は、本当に嬉しかったです。
―― 将来の夢を教えてください。
いろいろな世界遺産を見てみたいですし、「1級リスタ(Re-study)受検制度」はぜひ挑戦してみたいです。
将来の夢は、これまで世界の平和と環境の保護に関する仕事がしたいと漠然と考えていたのですが、京都で文化財の修理の見学会に参加したり、専門家の講演を聞きに行ったりしているうちに、建築士になりたい気持ちが強くなってきました。また、イコモス(国際記念物遺跡会議)の調査員になりたいという思いもあります。
(2017年3月)