ANAセールス株式会社
総務・人事部人事課
藤井 あゆ美氏
―― 御社は2013年7月に実施された第13回世界遺産検定において、36名受検し合格率は95%を超える成果を挙げ「団体優秀賞」に選ばれました。団体受検に取り組まれた背景を教えてください。
ANAグループにおいて航空券販売と旅行事業を行う当社は、現在の中期経営計画で旅行事業においては、より一層力を入れることを方針化いたしました。この方針のもと新たな商品ブランド構築と人材力向上に取り組んでいます。高度化・多様化するお客様のニーズに応えるためには、より深い知識が必要です。資格は知識獲得の指標のひとつと考え、仕事の質向上に関連のある資格の修得を奨励することしました。その中のひとつが「世界遺産検定」です。
世界遺産は旅行プランの核として外せないため、さまざまな職種で世界遺産の深い知識が求められます。また旅行上級者や成熟層のお客様を中心に「ただ観光する旅行」から「歴史や背景を知り深い感動や気づきのある旅行」へとニーズは変化しています。お客様の感動づくりをお手伝いするためにも検定の学びは大いに役立つと考えたのです。
―― 受検を奨励するための施策や、高い合格率の要因となった取り組みについて教えてください。
認定級に関わらず、認定者には受検料、テキスト代を全額会社負担するという支援策を実施しました。まず検定の告知は全事業部、全社員に向けてイントラネットで行い、次に興味を感じた社員に向けて、検定の内容を伝えるガイダンスを実施。さらに受検を決めた社員に向けて、世界遺産スペシャリストに認定されている社員に協力を依頼し、勉強方法などをレクチャーしてもらいました。職種やポジション、年齢などの差異を超えて興味・関心は非常に高く、1回目のガイダンスに出席した社員のほとんどが検定に挑戦しました。「社内の受検経験者が、世界遺産スペシャリストや1級に認定されている」というのが、モチベーション向上に役立ったようですし、高い合格率につながったと思います。
―― 今後の取り組みについて教えてください。
今回多くの社員が認定者となり、賞もいただいたことで、経営陣も含め喜びに沸いています。こうした気運のもと、受検者の裾野をさらに広げるとともに、世界遺産スペシャリストといった高度なレベルに到達できる社員を輩出していきたいです。現在行っている支援策に加え、社員の声を取り入れながら、検定認定がキャリアアップや対外的なシーンでのセールスポイントにつながるような支援策も検討していきたいと思っています。
(2013年8月)