解説
ハバナの旧市街には、日本人で初めてキューバを訪れたとされる仙台藩出身の侍、支倉常長(はせくらつねなが)の像が立っています。日本とスペイン領メキシコ間の直接貿易を求めた藩主伊達政宗の命を受け、常長含む慶長遣欧使節団はスペイン国王とローマ教皇のもとに派遣されました。
メキシコ経由でスペインを目指した常長一行は、途中嵐に遭い、キューバのハバナに立ち寄ったと言われています。その後常長らはスペインで洗礼を受け、ローマ教皇の謁見にも成功しますが、最終的には直接貿易の許可を得られず、失意の帰国となりました。
ハバナは16世紀にスペインの支配下に置かれた都市です。奴隷貿易の拠点として栄えたことで、西欧列強諸国や海賊から狙われたため、街にはいくつもの堅牢な要塞が築かれました。旧市街には植民地時代のスペイン・バロック様式の建物が多く見られ、当時の面影を残しています。