解説
『ライン渓谷中流上部』に立つ城のうち、ノイカッツェンエルンボーゲン城とトゥルンベルク城には、「ネコ城」と「ネズミ城」という愛称があります。ネコ城は、カッツ城ともいい、対岸のラインフェルス城を守るために築かれた軍事基地的な役割をもっていました。ネコ城の由来は諸説ありますが、城を建てた伯爵がネコみたいな顔をしていた、という説もあるそうです。
一方、ネズミ城はネコ城のすぐ傍に建てられ、ネコ城よりも一回り小さいことから「ネズミ城」と呼ばれるようになったそうです。二つの城は競うようにして建てられたともいわれ、歴史的背景からも「ネコ」と「ネズミ」の呼び名があてがわれたのかもしれません。
『ライン渓谷中流上部』の地域では、封建領主たちが川を運行する船から高い通行税を徴収しており、40以上の城や城塞が築かれました。三十年戦争などで荒廃しますが、その後一部が再建され、今もライン川と沿岸の古城が織りなす、中世以来の景観を見ることができます。
ちなみにネコ城の現在の所有者は日本人だそうです。