解説
スリランカ南部に位置するゴールは、一部の地域が海抜0メートル以下に位置するため、下水の排水が課題でした。オランダは自国の技術を利用した風車を建て、海水を汲み上げて下水道を流していたと言われています。なお、実際に風車を建てたのは英国という説もあります。
ゴールは古代より海のシルク・ロードの中継地として栄えた港湾都市です。16世紀末にポルトガルの植民地となり、オランダ、英国と支配国が移り変わりました。オランダ統治下の17世紀頃に多くの要塞が築かれてからは、旧市街は大きく変わることなく、今日まで姿を保ってきました。また、キリスト教の教会やイスラム教のモスクなど、様々な宗教施設も残っています。
ヨーロッパの建築様式と南アジアの伝統が結びついた顕著な例であるとして、『ゴールの旧市街とその要塞』として登録されました。