解説
トルンにある「ツェザールのアーチ」と呼ばれる建物は、バロック様式の長屋です。1910年以降、交通の利便性を向上させるため、一部の建物の1階部分がくり抜かれて通路に改築されました。1930年代には路面電車の線路も敷かれましたが、街の建物に悪影響を及ぼすことが分かり、廃止されました。
ポーランド中北部に位置するトルンは、バルト海産の琥珀をポーランド内陸部に輸送する中継貿易地として栄えた街です。13世紀にドイツ騎士修道会が要塞を建て、15世紀にはハンザ都市として最盛期を迎えました。その歴史から、中世ドイツ風の建物が連なる街並が特徴で、ドイツ風ゴシック様式の聖母マリア教会や、ドイツ騎士団城跡などが残ります。
地動説を唱えた天文学者コペルニクスの生誕地としても知られ、街のシンボルである旧市庁舎広場にはコペルニクス像が建てられています。