解説
諸説ありますが、「テ」という名称は、この地が中世に"Tejeto"と呼ばれていたことに由来するそうです。なお、Tejetoはラテン語の「菩提樹のある場所」を意味する単語や、ケルト語とラテン語の「掘立小屋」を意味する語から来ていると考えられています。
「テ宮殿」は16世紀中ごろ、マントヴァ侯爵(公爵)のフェデリコ2世・ゴンザガのよって、宴会や余暇の場所として建てられました。建設を担当した建築家ジュリオ・ロマーノは、設計だけでなく内部の装飾や壁画に至るまでほぼすべてを手掛けました。特に内部のフレスコ画が美しいことで知られ、ギリシャの神々と巨人族との戦いをテーマとした「巨人の間」は、天井や壁一面にフレスコ画が描かれています。テ宮殿はジュリオ・ロマーノの最高傑作のひとつであり、マニエリスム建築の代表作にも数えられています。
マントヴァは、シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』にも登場する街で、11世紀につくられた円形の建造物ロトンダやバロック様式のビビエナ劇場が残っています。サッビオネータは、星形の城塞や碁盤目状の街並が見られ、ルネサンス期の都市計画、建築学や美術を今に伝えています。
両都市の歴史的な街並は、ルネサンス期の都市計画の例であり、周囲の都市にも影響を与えたため、『マントヴァとサッビオネータ』として世界遺産に登録されました。