解説
タブリーズのバザールから少し離れた場所に位置するブルーモスクは、モスクを飾る青いタイルからその名が付けられました。15世紀に建てられましたが、18世紀の地震によってタイルが剥がれてしまい、外観はほとんど土色となっています。部分的に残る精緻な装飾からは、かつてのモスクの美しさを彷彿とさせます。
イラン北西部、東アゼルバイジャン地方の都市であるタブリーズは、シルク・ロードの拠点として古くから交易が盛んな地でした。イル・ハン国の首都となった13世紀には、繁栄ぶりで知られる都市となっていました。16世紀のサファヴィー朝建国当初の都でもあり、遷都後も重要な商業拠点であり続けました。
タブリーズには、千年以上の歴史をもつ、中東最古のバザール(屋根付きの市場)があります。タブリーズのバザールは複数のバザールから構成されており、日用品や土産物、絨毯、貴金属、宝石などを扱う店舗が軒を連ねています。商売の場所としてだけでなく、商業・交易や親睦会、教育・宗教的実践といった機能を持つ空間などから構成されており、現在も人々の生活の場として利用されています。
2010年に『タブリーズの歴史的バザール群』として世界遺産に登録されました。