解説
「チェコ音楽の祖」といわれるベドルジハ・スメタナは、チェコのリトミシュル城にある、ビール醸造所で生まれ育ちました。スメタナの父がビール職人であり、城に住み込みで働いていたためです。スメタナは幼少期から類まれなる音楽の才能を開花させ、両親も積極的に支援しました。
『リトミシュル城』は東ボヘミア地方に位置する、16世紀後半に建てられたルネサンス様式の城郭です。ペルンシュテイン家の領主が、スペインから嫁いだララ妃のために建てたもので、北イタリアの建築家の下で工事が行われました。18世紀の改修では内装に後期バロック様式が導入されましたが、ルネサンス様式の外観はそのまま保たれました。同じ時期に敷地内に増設された新古典主義様式の劇場は、舞台装飾や装置が当時のまま残されています。
スメタナの生家であることから、毎年リトミシュル城と周辺を舞台に音楽祭が開催されており、オペラやガラ・コンサートなど声楽を中心とした公演が行われます。