解説
ラ・メルセー教会の噴水は、睡蓮をモチーフに造られました。睡蓮はグアテマラの低地、特に湖や潟でよく見られる花です。かつてこの地域に栄えていたマヤ文明では、睡蓮は創造神話と関連しており、神聖な花とみなされていました。なお噴水の名前は「魚の噴水(La Fuente de Los Pescados)」というそうです。
標高1,530mにある『アンティグア・グアテマラ』は、度重なる自然災害から復興し、約230年にわたって発展を続けた植民都市です。イタリアのルネサンス様式に影響を受けた碁盤目状の都市で、ラ・メルセー教会を含む38の教会堂や、アメリカ大陸で4番目の設立となるサン・カルロス神学校などが建設されました。1543年の創建以来、幾度も地震の被害に遭いながらも、その度に壁を厚く、柱を太く短くするなどして、建物の耐久性を高めながら改築されてきました。
しかし、1773年のサンタ・マルタ地震によって町の大部分が破壊されたことを機に、現在のグアテマラシティに遷都されました。一部の住民は町に残り、「アンティグア・グアテマラ(古いグアテマラ)」と呼ばれるようになりました。