解説
モンテ・アルバンは紀元前500年から紀元800年頃まで、サポテカ人の都市として栄えた都市遺跡です。遺跡で発見されたレリーフには、言葉の吹き出しのような文様が刻まれていました。英語では"Speech scroll"といわれるこの手法は、メソアメリカ地域の芸術作品によく見られ、クエスチョンマークのような形をしているのが特徴です。
メキシコ合衆国の世界遺産『オアハカの歴史地区とモンテ・アルバンの考古遺跡』は、メキシコ南部のオアハカ渓谷にある「オアハカの歴史地区」と、「モンテ・アルバンの考古遺跡」の2つから構成されています。
オアハカの歴史地区は、16世紀のスペインによる征服以後、植民都市として発展を遂げた街です。碁盤目状に整えられた街には、1,000以上の歴史的建造物が残り、かつての植民都市の面影を色濃く残します。地震が多いことから厚い壁と低い建物が特徴です。
モンテ・アルバンは約1,500年の間、オルメカ人、サポテカ人、ミシュテカ人といった民族が居住してきた遺跡です。遺跡は小高い山に位置し、神殿や球戯場、レリーフが刻まれた遺跡などがあります。テオティワカンやアステカ、マヤからの影響も受けており、交流があったと考えられています。