解説
スリランカ南西部にあるキャンディは、シンハラ語で「山」を意味する「カンダ」が訛ったものです。19世紀にスリランカを支配したイギリス人は、カンダを「キャンディ」と発音したため、英語名はキャンディとなりました。
「キャンディ」は、紀元前5世紀頃に建てられたシンハラ王国の最後の都です。シンハラ王国では、4世紀にインドからブッダの犬歯(仏歯)がもたらされると、王権の象徴として保管されてきました。
16世紀末、キャンディへの遷都に伴い、ヴィマラ・ダルマ・スーリヤ1世が仏歯を祀るダラダーマーリガーワ寺院(仏歯寺)を築くと、キャンディはスリランカの仏教の聖地となりました。毎年恒例のエサラ・ペラヘラの祭りでは、仏歯を背に乗せたゾウが街を練り歩きます。