解説
ジャッダ(Jaddah)は、アラビア語で「祖母」を意味する単語です。人類の祖母とされるイヴの墓がジッダの地にあると考えられており、一説にはジッダの地名は「ジャッダ(祖母)」に由来するといわれています。実際にイヴの墓とされる遺跡は存在していたのですが、聖人崇拝につながるとして入口が封鎖されたため、現在は内部に入ることはできないそうです。
紅海の東岸に位置するジッダは、イスラム教の勃興によりメッカの外港として繁栄してきた都市です。7世紀に第3代正統カリフのウスマーン・イブン・アッファーンが、インド洋交易の主要港として整備しました。また、紅海経由でメッカ巡礼を目指すイスラム教徒の玄関口となり、世界中からさまざまな民族がこの地を訪れました。現在に至るまで多様な文化が混ざり合い育まれてきた場所で、サウジアラビア王国第二の都市として、活気にあふれています。
旧市街には、19世紀後半に富裕商人に建てられた高層建築や、紅海のサンゴを用いた建造物など独特の建築様式が見られます。世界遺産には『ジッダの歴史地区:メッカの入口』として登録されています。