解説
アケイロポイエートス聖堂は、450~470年頃に築かれたビザンツ様式の教会です。聖堂の名は、「人の手でつくられたものではない」とされるキリスト像がこの教会に保管されていたことに由来します。
紀元前315年に建設された海港のテサロニキは、初期のキリスト教が確立していく中で、布教の拠点として重要な役割を果たした街の1つです。ビザンツ時代を通じて文化の中心地であり、4世紀~15世紀の1,000年以上にわたってさまざまな建造物が築かれました。
モザイク画やフレスコ画の保存状態がよく、ビザンツ様式の初期からイコノクラスム(聖像破壊運動)までの芸術を伝える聖ソフィア聖堂や、後期ビザンツ様式の聖デミトリウス聖堂など、初期キリスト芸術の傑作とされるものが多く残されています。