解説
中国南西部の『雲南保護地域の三江併流群』は、170万ヘクタールの山岳地帯に金沙江、瀾滄江、怒江の3つの河川が並行して流れる地域です。
梅里雪山の斜面に広がる明永氷河など、この地域で見られる氷河は非常に速い速度で後退しています。2022年にユネスコが発表した情報によると、2000年から約20年間で失われた氷河の質量減少率は57.2%で、世界遺産(2022年時点)の中で最も速く融解が進んだ氷河だそうです。
約5,000万年前に、ユーラシア大陸とインド亜大陸が衝突して生まれた地形が見られるこの一帯は、地質学的に極めて重要な価値があるとされています。この地域は中国で最も多様な生態系を有しており、中国全土の25%にも及ぶ700種以上の動物や、20%にあたる約6,000種の植物が生息・生育しています。