解説
ビルカでは、シングと呼ばれる民会(議会)で政治が行われていたことが分かっています。シングとは初期のゲルマン社会における議会です。アイスランドの世界遺産『シングヴェトリル国立公園』で行われていたアルシングは、アイスランド各地で行われていたシングの代表が集まって開催されたものです。
スウェーデンの世界遺産『ビルカとホヴゴーデン』は、国内で3番目に広い湖であるメーラレン湖に浮かぶ2つの島に位置しています。島には、8世紀末~11世紀にかけてヨーロッパの海を席巻していたヴァイキングにまつわる遺跡が残ります。
ビョルケー島にあるビルカは、ヴァイキングの交易拠点として8~10世紀に繁栄しました。9世紀には、ハンブルク=ブレーメン大司教のアンスガールが訪れ、スウェーデンにおけるキリスト教布教の拠点ともなりました。城壁や2,000を超える墳墓、ルーン文字の石碑などが見つかっており、副葬品からはビルカではビザンツ帝国などとも交易を行っていたことが分かっています。
アデルスエー島のホヴゴーデンからは、ヴァイキング時代の王宮跡とみられる遺跡が発見されています。