解説
フランス語で"midi"という単語は正午や昼時を意味しますが、"le Midi"と大文字にした場合には「南フランス」を指す場合もあります。
フランス南部のトゥールーズから地中海沿岸のトー湖までを結ぶ『ミディ運河』は、1694年に完成し、総延長360㎞を誇ります。ルイ14世の治世下で塩税徴収人として財をなしたピエール・ポール・リケが、私財をなげうって1667年に着工。当時フランスは急速な近代化の最中にあり、地中海と大西洋の物流を結びつけるこの事業は、新しい時代を象徴するものでした。
建設地には全体で約190mに及ぶ高低差がありましたが、103ヵ所に閘門を設置することで克服し、高さ6m、全長165mに及ぶ世界初の運河用トンネルであるマルパ・トンネルも建設されました。