解説
イエメン中部のシバームには、日干しレンガでつくられた高層住宅が林立しており、その街並から「砂漠のマンハッタン」と呼ばれています。
シバームは3世紀頃に南アラビアで繁栄したハドラマウト王国の都でした。乳香などの交易で発展し富を築きましたが、幾度となく異民族の攻撃を受けました。雨季には街に雨水が流れ込み、たびたび大洪水に見舞われてきました。
このような被害から街を守るため、建物は次第に高層化。垂直を原理とした都市計画がなされるようになり、独特な街並が形づくられました。現在も500棟以上の高層家屋群が残っています。