解説
パプアニューギニア南部に位置する『ククの古代農耕遺跡』では、バナナが栽培されていたことがわかっています。遺伝子研究の結果、バナナは当初パプアニューギニアで栽培化され、後に東南アジアへ広まったとされています。人類のバナナ栽培の歴史は、パプアニューギニアから始まったようです。
一帯に人類が定住したのは2万5,000年前頃の更新世後期のことで、7,000~6,400年前頃には人々が農業を行うようになったことが判明しています。植物の利用から栽培へと転換した技術革新を示す遺跡であり、オセアニア地域では最も古い農業の痕跡でもあります。
発掘調査の結果、ヤムイモやデンプン質の食物の加工にかかわる石器が発見されました。バナナやヤマイモ、タロイモの栽培が行われていたと考えられています。