解説
マダガスカルにのみ生息するクイナモドキは、現生する2属3種のうち2種が『アンドレファナ乾燥林群』の地域で確認されています。
世界で4番目に大きな島であるマダガスカル島は、およそ6,600万~8,000万年前の白亜紀後期にインド亜大陸から分離して誕生しました。周辺大陸から隔離された地理的な障壁や数十万年単位の気候変動の結果、生物は独自の進化を遂げ、ユニークな生態系が形成されました。生物種や固有種が多いことから、マダガスカルはメガダイバーシティ国家の1つに数えられています。
特にレムールと呼ばれるキツネザルの仲間が有名で、マダガスカルにのみ分布します。レムールの祖先は何らかの方法でマダガスカル島に辿り着き、適応放散の結果複数の種に分化したものだと考えられています。
世界遺産『アンドレファナ乾燥林群』は、アンカラファンツィカ、ミケア、ツィンギー・ド・ベマラハ、ツィマナンペツォツァの4つの国立公園と、アナラメラナ、アンカラナの2つの特別保護区からなります。1990年に「ツィンギー・ド・ベマラハ厳正自然保護区」として単体で登録され、2023年に拡大登録されました。