解説
キリグアの初代王は「トク・キャスパー」と呼ばれています。キャスパーとはアメリカの映画に登場するお化けのキャラクターです。初代王の名を示す未解読の文字の形がお化けのキャスパーに似ていることから、「トク・キャスパー」と呼ばれるようになりました。
キリグアには紀元200年頃から人が定住し始めました。426年には初代王が即位し、コパンの衛星都市として翡翠や黒曜石などの交易で繁栄しました。8世紀にキリグア王カック・ティリウがコパン13代王を殺害したのち全盛期を迎え、中央広場を囲むように神殿や宮殿、ピラミッド、球戯場などが築かれました。
この地には現在も10基あまりの石碑が残っています。中でも「石碑E」は、高さ10.6m、重さ59tのマヤ文明最大の石碑として知られています。石碑には浮き彫りや象形文字が彫られており、謎の多いマヤの社会や政治などに関する貴重な史料となっています。