解説
ブラジル南東部の大西洋沿岸森林のうち、25の保護区域からなる広大な森林保護区です。氷河期以来、他の地域から隔絶されてきたことが豊かな生物多様性を育んできました。1ヘクタール当たりに生育する樹木種が世界で最も豊かな森林とみなされており、特にフトモモ科の種が多く生育しています。
鬱蒼とした森林に覆われた山岳地帯からマングローブ林が生い茂る広がる沿岸まで、陸と海が連続する美しい景観が広がります。クロガシラライオンタマリンやウーリークモザルなどの絶滅危惧種を含む524種の哺乳類の他、アカオボウシインコ、ショウジョウトキなど1,600種の鳥類、3,000種の淡水魚など、多くの動植物が生息しています。昆虫は、じつに1,000万〜1,500万種を数えると推測されています。
土地開発が始まった16世紀以前に比べ、ブラジルの大西洋沿岸森林の面積は10分の1以下に減少しており、地球上で最も絶滅の危機に瀕している森林生態系だと考えられています。