解説
フランス領南方・南極地域の紋章は、中央の盾に、ケルゲレン諸島特産のケルゲレンキャベツ、サン・ポール群島とアムステルダム群島を象徴するイセエビ、クローゼー諸島に生息するオウサマペンギン、アデリーランドを表す氷山が描かれ、一帯で見られるゾウアザラシが盾を支えるサポーターとなっています。
世界遺産『フランス領南方地域の陸と海』は、インド洋南部の南極大陸のすぐ近くにあるクローゼー諸島、ケルゲレン諸島、サン・ポール群島、アムステルダム群島と、60の小さな亜南極諸島で構成されます。
67万㎢以上の広さを持つこの一帯は、オウサマペンギンやキバナアホウドリの生息数が世界で最も多い場所です。また、鳥類や海棲哺乳類の生息密度も高く、生物多様性にとっての「オアシス」といえます。人間の様々な活動から遠く離れていたことが、生物進化の過程を伝える研究上でも貴重な場所となり、地球上最後の手つかずの自然とも称されます。