解説
インド洋沿岸から内陸約6.5kmに位置するゲディは、10~17世紀にかけて、東アフリカ沿岸で最も重要かつ人口密度の高いスワヒリ都市の1つでした。インド洋を横断する交易や文化交流のネットワークの一部で、アフリカの沿岸部や内陸部と、アラビア海や南アジアの港へとつなぐ役割を果たしていました。
ゲディの遺跡からは、中国やペルシャ、インド、ヴェネツィアから輸入された高級品が発見されており、特に中国産の陶磁器が多数出土しています。金や象牙、その他の鉱物や木材、奴隷の輸出によって支えられていた国際貿易網におけるゲディの役割を示しています。
都市は2つの環状の城壁で囲まれ、社会階層によって居住空間が分けられていたと考えられています。街路は碁盤目状に延び、宮殿やモスク、墓、住宅などが建てられた他、井戸やトイレなど水インフラも整備されていました。建造物にはサンゴ石や石灰、ヤシなどの地元の材料が用いられており、典型的なスワヒリ建築の特徴が見られます。