解説
3はティフィナグ文字で「ラバト」と書いてあります。ちなみに1はマラケシュ、2はフェズ、4はモガドール(エッサウィラの旧名)です。首都ラバトを含め、モロッコ国内では鉄道やトラムなど看板や標識に、アラビア語・フランス語と共にティフィナグ文字が併記されていることがあります。
モロッコ北西部、大西洋岸に位置する首都のラバトは、イスラム文化と西洋モダニズムが深く融合して形成された街です。旧市街の歴史は12世紀に遡り、ムワッヒド朝時代に築かれたハッサン・タワーのほか、海沿いにはウダヤのカスバ(城塞)があります。周辺には、17世紀にスペインから追放されたイスラム教徒やユダヤ人が入植したたエリアも存在します。
新市街はフランス保護領下にあった20世紀前半に構想・建設されたもので、王室や行政地区、住宅地などが含まれています。都市計画に際しては、当時ヨーロッパで流行していた建築運動の要素が取り入れられました。ガーデンシティ構想もそのひとつで、公園や植物園、個人庭園が造成されました。