解説
アイット・ベン・ハドゥでは定住をしたベルベル人は、もともとはサハラ砂漠の遊牧民族で、伝統的に優れた騎馬技術を持っていました。現在もモロッコでは「ファンタジア」という勇猛な騎馬祭りが行われ、ベルベル人の騎馬術と伝統を受け継いでいます。
アイット・ベン・ハドゥは、7世紀に北アフリカの先住民ベルベル人が築いた要塞の村です。一帯に点在する「クサール」と呼ばれる要塞の村でも、最も保存状態が良好なものの1つです。
城壁で囲まれた村には家屋の他に、カスバと呼ばれる馬小屋・食糧倉庫・居住空間が1つになった建物も建てられています。泥土で作られたこれらの建物は、先イスラム期の建築様式を今に伝えています。
村には迷路のような路地や住居に備えられた銃眼など、随所に侵入者を防ぐ工夫が施されており、丘の上には見張り台を兼ねた穀物倉庫の「アガディール」もありました。