解説
『トロオドス地方の壁画教会群』の構成資産で、ラグーデラ村にあるパナギア・トゥ・アラコス教会の名は、一説にはこの地域で豊富に採れるマメ科の野菜に由来すると言われています。
キプロスのトロオドス山脈南麓の丘陵地帯には、ビザンツ帝国時代に築かれた教会や修道院が数多く残ります。そのうち、カコペトゥリアの「屋根の聖ニコラオス教会」や、キプロス最古の教会とされるムトゥラスの「生神女教会」など11〜16世紀にかけて建造された10の教会が世界遺産に登録されています。
いずれの教会も、内部に華麗なフレスコ画が残っている点が特徴です。500年にわたって建造されたため、ビザンツ様式をはじめ、さまざまな美術様式の影響が見られます。石積みの外壁とこけら葺きの切妻屋根の外観は、トロオドス地方の伝統的な建築様式です。