解説
ペリカンは中世ヨーロッパで、自分の血をヒナに与えるという逸話があり、カトリックでは自己犠牲の愛の象徴と考えられてきました。井戸の上にある像も、この逸話にならって騎士修道会の精神を表現するために選ばれたと考えられています。
『マルボルクのドイツ騎士修道会の城』は、13世紀の十字軍時代に活躍したドイツ騎士修道会が建設した城です。ドイツ騎士修道会(ドイツ騎士団)は東欧にキリスト教布教を目的に進出し、この城をバルト海沿岸地方征服の拠点としました。
修道院兼要塞として使われたこの城は、15世紀半ばの騎士修道会の衰退により放棄されました。その後、ポーランド領となりましたが、第二次世界大戦でのドイツ軍の爆撃で大きく破壊されました。
赤レンガで造られたこの城は、他に類を見ない中世ゴシック建築として評価され、北東ヨーロッパのゴシック建築にも大きな影響を与えました。