解説
グランド・モスク近くにあるイスラーム神秘主義の施設「リバト」の塔がミナレットの代わりの役割を果たし、この塔から礼拝の呼びかけが行われました。また、モスクの北東に建てられた八角形のドーム型の塔も、同様の役割を担った時期がありました。
『スースの旧市街』は、9世紀ごろに建設されたアラブ・イスラム様式の都市です。複雑に入り組んだ路地や狭い道、モスクや城塞のある街並みは、イスラム最初期の都市の典型例とされています。
スースの起源は紀元前9世紀ごろ、フェニキア人によって築かれた都市にさかのぼります。その後、カルタゴやローマ、ビザンツ帝国の支配を経て、アラブ人によって今の街並みが形成されました。建物は海賊など地中海からの脅威に対応するため、軍事的な機能を兼ね備えていました。
その美しい街並みは「サヘルの真珠」と称賛され、旧市街の外にはリゾート地が広がっています。