解説
ハイダ族の伝承によると、主人公の青年ナチレーンは兄弟に妬まれて海に置き去りにされましたが、ラッコに助けられたとされています。ラッコはナチレーンを島に引き上げ、魚や動物が捕れる場所を教えました。同じ内容の伝承は、近隣に住むトリンギット族にも伝わっています。
『スカン・グアイ』は、カナダ西部の太平洋上にあるハイダ・グアイ諸島に位置する島です。ここには、2,000年以上前から19世紀まで先住民のハイダ族が暮らしていた集落の跡があります。
集落跡には、貝塚や洞窟、そして精霊や動物などを彫刻した柱「トーテムポール」が残されています。ハイダ族は書き言葉を持たず、口承で伝統を受け継いできました。これらの遺跡は、ハイダ族の文化を知る貴重な手掛かりとなっています。
ハイダ族は漁労や狩猟で暮らしを立てていましたが、白人が持ち込んだ病気によって人口が激減し、19世紀にはスカン・グアイは廃墟となりました。