解説
グリニッジ標準時の基となるグリニッジ平均時は、1884年(明治17年)の国際子午線会議で世界的に採択される以前から、海軍などで基準時刻として広く用いられていました。日本でも明治初期に海軍学校の教科書にグリニッジを基準とした時刻計算が記されており、当時「縁威」と表記されていました。
『海洋都市グリニッジ』は、イギリスの首都ロンドンにあり、大航海時代から19世紀末にかけて海の玄関として栄えた場所です。1512年にヘンリー8世が造船所を築いて以来、天文台や王立海軍学校などが次々と作られ、海洋都市として発展しました。
グリニッジ天文台は1675年に建てられたバロック様式の建物です。18世紀初頭に植民地や外国に出かけた船乗りたちは、ここの時刻を基準にして時差を測りました。この仕組みがのちに慣例となり、グリニッジ標準時(GMT)の採択につながりました。
構成資産には、イギリス最高のバロック建築のひとつとされる王立病院など、傑出した建物も含まれています。