解説
クルスキー砂州は女性の巨人ネリンガが築いたという伝説があります。14世紀後半にリトアニアはキリスト教を受け入れましたが、それ以前はネリンガをはじめ、多彩な神々や精霊が登場する多神教の信仰が盛んでした。
『クルスキー砂州』は、リトアニアとロシアのカリーニングラード州にまたがる全長98kmの砂洲(砂の堤防)です。砂洲は風や波が運んだ砂で形成された地形で、日本では天橋立(全長約3.2km)などの例があります。クルスキー砂州は約5,000年前に形作られたと言われています。
17世紀以降、森林の過剰な伐採が原因で砂丘が村を飲み込む危機が起こりましたが、19世紀にプロイセン政府が緑化活動を行い、砂丘の拡大を抑えました。このように、砂州と共存する人々の歴史や活動が評価され、クルスキー砂州は文化的景観として世界遺産に登録されています。