解説
オオアリクイは1回の妊娠で通常1匹の子どもを出産し、生後9カ月頃まで母親の背中に乗って生活します。中南米の森林に生息していますが、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストでは「絶滅危惧種(危急種)」に分類されています。
『セラード自然保護地域群:ヴェアデイロス平原国立公園とエマス国立公園』は、ブラジル中部ゴイアス州にある保護地域です。セラードとは、ブラジル中部からパラグアイ、ボリビアに広がる熱帯性草原(サバナ)のことで、多種多様な動植物が生息しており、南米最大の鳥であるレアも見られます。
しかし、セラード地域の土地は農業・牧畜・都市開発によって減少しつつあり、保護の重要性が指摘されています。オオアリクイはこの地域に集中して生息する数少ない動物ですが、視力が低く足が遅いため、特に火災による逃げ遅れや高速道路の建設による交通事故で、個体数が減少しているとされています。