解説
「チーズ祭り(Fiera del Cacio)」のハイライトである「チーズ転がし(Cacio al Fuso)」は、6つの地区の代表者が参加し、石畳の上で円盤型のチーズの塊を転がして、的となる木の棒にどれだけ近づけられるかを競う競技です。このイベントでは、地元特産の「ペコリーノ・ピエンツァ」が使われます。
『ピエンツァの歴史地区』は、イタリア中部に位置する計画都市で、15世紀にローマ教皇ピウス2世によって再開発されました。ピウス2世はルネサンスの人文主義の理念に基づき、「理想の街」を目指して都市の整備を進めました。
ピウス2世は、故郷のこの街を自らの名にちなんで「ピエンツァ」と改名しました。街の中心にはピウス2世広場が設けられ、格子状の道路による幾何学的な都市デザインが採用されました。
ピエンツァの都市計画は未完成に終わりましたが、ルネサンス様式による初の本格的な都市設計として、後のイタリア各地の都市建築に大きな影響を与えました。