解説
「ダイヤモンドリリー」の別名を持つ花「ネリネ」は、ギリシャ神話に登場する海の女神たち「ネーレーイス」に由来するといわれています。クサントスで発掘されたギリシャ神殿風の墓には、複数のネーレーイスの彫刻が飾られており、これは当時の王の墓と考えられています。
トルコ共和国南西部に位置する考古遺跡『クサントスとレトーン』は、鉄器時代に存在した海洋民族リュキア人の文明に関する遺跡です。この地域では、アナトリア、ギリシャ、ローマ、ビザンツの文化が交わり、融合した文化が栄えました。
クサントスからはリュキアに独特の葬祭芸術が栄えた証拠が発掘されており、ネーレーイスの記念碑は、アケメネス朝ペルシアの王墓「ハリカルナッソスの霊廟」にも影響を与えたとされています。
また、レトーンには、女神レトやアルテミス、アポロンに捧げられた神殿の遺跡が残っています。