解説
1774年5月8日、水星・金星・火星・木星と月が集まる珍しい天文現象が観測され、これを不吉な前兆とする地球滅亡説が広まりました。独学で数学や天文学を学んでいたエイシンハは、天文の正しい知識を人々に伝えるために、約7年かけて自宅にプラネタリウムを作りました。
『フラーネカーのエイシンハ・プラネタリウム』は、オランダのフラーネカーに現存する世界最古の稼働機械式プラネタリウムです。
エイシンハの自宅の居間兼寝室の天井と南壁に組み込まれたプラネタリウムは、木製の輪や円盤、振り子時計、鉄製のピンや歯車といった精巧なアナログ機構で動き、太陽、月、地球、そして当時知られていた他の5つの惑星(水星、金星、火星、木星、土星)の位置を、正確かつに再現しています。
現在もほぼ完璧に稼働し続けており、エイシンハが残したうるう年などの調整方法の記録に基づき、定期的にメンテナンスが行われています。