解説
サハラ砂漠に囲まれたウワダン、シンゲッティ、ティシット、ウワラタの四都市は現在、深刻な砂漠化に悩まされ、首都ヌアクショットへの住民の流出も深刻です。この地域一帯に残る洞窟壁画にはキリンやウシなどの姿が描かれていて、かつてここが緑豊かなサバンナだったことを教えてくれます。そうした豊かな土地が現在のように砂漠化したのは、70年代の干ばつやナツメヤシの伐採などが原因だと考えられています。
サハラ交易の中継地として12世紀ころから繁栄した四都市の中でも、シンゲッティは西アフリカにおけるイスラム教の拠点としても発展しました。1万冊以上の古書が現在でも残され、かつてイスラムの学者たちが集まり研究や議論を深めた姿を今に伝えています。