解説
ヴルタヴァ(モルダウ)川沿岸のチェスキー・クルムロフ=写真=は、中世以来のボヘミアの街並みを残す美しい小都市です。この街は、第二次世界大戦中ナチス・ドイツに占領されていましたが、戦後にチェコスロバキアが独立を回復すると、ドイツ系住民は市民権と財産を奪われて追放され、ドイツ系住民の多かったチェスキー・クルムロフは一時荒れ果てました。共産主義からも価値を否定された街の復興が始まるのは、1968年の「プラハの春」以降です。
チェスキー・クルムロフには、かつて交通の要衝として発展した街並みや、代々の領主の居城であったチェスキー・クルムロフ城などが残されています。オーストリアの画家エゴン・シーレも、母の故郷であるこの街を愛しました。