解説
ジェンネの大モスク=写真=は、日干しレンガを重ねた上に泥を塗って仕上げる「スーダン様式」で建てられています。壁から突き出したヤシ材の骨組み(テロン)は、急な温度変化が建物に与える影響を緩和するためにあります。また住民によって毎年雨季の前に泥の塗り直しが行われており、テロンはその時の足場にもなります。
ジェンネは、トンブクトゥと内陸を結ぶ金交易の中継地として13世紀頃から栄えました。16世紀になると、「双子の姉妹」と呼ばれたトンブクトゥと共にモロッコ軍の侵攻を受けましたが、その後さびれて砂漠化が進んだトンブクトゥとは対照的に、ジェンネでは現在でも大モスク前で毎週月曜日に市場が開かれ、地域交易の中心として賑わっています。